パリ:パスツール研究所の日本人研究者からの通信(Y)

(フランスでの休暇について)

(2016.3.10)

2013年から1年間、フランス大使館とパスツール協会の日仏共同プログラムによりパスツール研究所でポスドクとして赴任し、その後、そのままDept. of Developmental & Stem Cell BiologyのStem Cells & Development UnitにPostdoctoral Fellowとして働いています、酒井大史と申します。

日本では、麻布大学獣医学科を卒業し獣医師免許を取得後、博士号を京都大学で取得しました。大学院時代から一貫して再生医学、再生医療に興味を持って研究を続けています。現在は、ヒトならびにマウスの骨格筋幹細胞とその微小環境、ならびに移植に関する研究を進めています。

フランスでポスドクをするという利点の一つは、休暇を含めて福利厚生がしっかりしているという点でしょう。ポスドク2年目からは、年間5週間の有給休暇が保障されています。日本のように、ほとんど取れない休暇ではなく、むしろ取らないと事務に怒られる始末です。ラボ内でも、休暇を取ることが当然の権利として考えられているため、ボスであろうと、バカンスの時期や、クリスマスには2-3週間の休みを取ります。

そんなに休んでしまっては、研究が滞るのでは、と心配になりますが、不思議とそうなることもありません。休暇の日程を決めたら、その前後で必要な実験等をあらかじめ設定し、直前まで仕事、直後から再開、というように効率良くスケジュールを組んでいるようです。私も初めの一年は、長期休暇を取るのに抵抗がありましたが、今ではすっかり慣れてしまいました。

それでいて、論文もしっかり出している、ということも強調したい点です。プロジェクトを始める前に綿密なディスカッションをして、ある程度方向を見定め、必要な実験を必要なだけやる、というのがコツかなと、最近実感しています。私自身は、まだまだ自分の論文の発表ができていないので、偉そうなことは何も言えませんが、同僚の研究の進め方をみて、その効率的な方法を盗んでいる最中です。