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初めまして。本年10月1日よりパスツール研究所のDepartment of Developmental & Stem Cell biology の Pasteur-Imagine G5 Heart Morphogenesis groupにpostdoctoral fellowとして赴任致しました北里梨紗です。日本では北里大学医学部循環器内科学教室に所属、博士号を同大学院にて今年の春に取得し、9月までは循環器内科医として日本国内の市中病院に出向しておりました。
今後、こちらのページに当研究所での研究内容や生活、日本人の素晴らしい研究者の方々をご紹介させて頂きますので、よろしくお願い申し上げます。まずは、僭越ではございますが、私が留学を決意した経緯と現在の研究内容を少し述べさせて頂きます。
近年、心臓カテーテル治療の進歩により、急性心筋梗塞発症早期に再灌流が得られるようになり、急性期の死亡率は低下している反面、我が国の慢性期の心不全のリスクは増加しています。心不全増悪には病的心臓リモデリング(CR)が深く関与し、その原因は、様々なサイトカインやその他の因子により引き起こされる心筋細胞(CMs)及び心臓線維芽細胞(CFs)増殖が主に大きく関わります。新たな治療戦略獲得のため、私は博士課程の研究テーマを「病的CRの分子学的機序解明」とし、主に血管増殖因子や血液凝固因子に属する二つのシグナルについて、CRとの関連につき研究してきました。パスツール研究所のDr.Meilhac率いる当研究室では、中でも心臓特異的であるCMsやCFsを用い、様々な解析を行っており、これらにおいて追加検討することは臨床的に大きな意義があると考え、フランス政府給費生として核内転写因子に関して研究していた国際癌研究機関での留学に次いで、今回留学を決意しました。私が担当しているのは、当研究室が世界でも最先端のデータを持つ、Hippo signal カスケード内のあるco-factorと心肥大についてです。ピペットを握るのも久しぶりでまだついて行く事で精一杯ですが、既に興味深い実験結果が出ており、検討を重ねています。