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パリに来てから早くも半年が過ぎました。私は現在、フランス政府及び日本パスツール協会の支援を頂き、パスツール研究所での一年間の勉強と研究の機会を頂きました。
パスツール研究所には、修士課程の学生のためのコースが設けられており、このコースは2ヶ月間の実習 (Travaux Pratique) と、半年間のインターンシップ (Stage) で構成されています。私は微生物学 (Microbiologie) を選択しましたが、他にも様々なコースがあります。
今回は、研究所の様子を交えながら、パリで生活を始める際に苦労したこと、役立ったことなどをご報告できればと思います。
<フランス語>
先輩方の留学便りを読ませていただく中で、とにかく、フランスで生活するためには言語の習得が必要と感じ、パスツール研究所でのコースの始まる約2ヶ月前に渡仏しました。フランス政府の指定する語学学校のリスト (http://www.qualitefle.fr/) を参考に、語学学校を決めました。9週間のコースでしたが、日常的な会話はある程度理解できるようになりました。 フランス語が話せることは 、やはり、ストレスなく 快適に生活するための大事な要素であると思います。
いよいよ、最初の2ヶ月間の実習 (Travaux Pratique) が始まりました。講義やレポート、プレゼンテーションは英語でさせていただいたのですが、実習はすべてフランス語で進められましたから苦労は多々ありました、、、 日常会話とは異なり、ラボでのフランス語は聞き慣れるまでに一苦労しました 。
例えば、
「Ajouter」「Agiter」「À jeter」
左から、加える、振る、捨てるという意味ですが、聞いてみると、なんともよく似ているのに、意味は全く違います。静かに加えるはずの大事なサンプルを振ってしまったり、捨ててしまったら大変です。フランス語が話せる学生ばかりの中で、教授、学生から英語でもう一度説明をしていただく場面もあり、 本当にたくさんの助けをいただきました。
<書類・住居>
フランスでの事務作業、書類に関する作業はとても大変だと聞いていました。9月に始まる大学への登録を7月に始めて、終わったのが10月でしたが、これもまたフランス、、なのかもしれません。
実際、コースが始まる前から渡仏していたこともあり、事務作業の大部分を9月前に終えることができました。何事も早め早めに、何度も確認するという習慣がフランスでの書類作業を通して身についたように思います。 たまに、事務で大事な書類が紛失してしまったという話も聞きますので、自分の手元に予備を持っておくなど、バックアップはとても大切です。パスツール研究所は、とてもセキュリティがしっかりしていて、それ故に必要書類がたくさんあります。研究室の秘書さんには、なにからなにまで本当にお世話になりました 。
家探しも、大学に付属している機関で紹介していただいたので、とてもスムーズに決まりました。一人暮らし、 寮、共同でアパートを借りる、フランス人のご家庭にホームステイするなど、たくさんの選択肢の中から選ぶことができます。機関の方は英語も話される方が多かったように思いましたので、CROUS/CNOUS (http://www.crous-reims.fr/ http://www.cnous.fr/) や、大学付属の機関に相談することをお勧めします。<パスツール研究所・研究>
ラボでの共通言語は英語です。とても国際色豊かなグループのため、お昼の時間も英語で話すことが多いです。お昼の時間になると、皆で一緒に食堂へと向かいます。研究所の食堂は、BIO (オーガニック) のコーナー、サラダバー、チーズバーがあったりと、充実したメニューが用意されています。誰かのお誕生日や気の向いた時には、学生の誰かが自宅でケーキを焼いてきて振舞ってくれます。そんな日は、皆で集まってティータイムです。一日にケーキが3つもかぶってしまった日もありました!
帰りの時間も18時には帰宅する人が多く、集中するときは集中する大切さを感じます。
私は、生命の3つのドメイン、「真核生物」「真正細菌」「古細菌」の1つである古細菌とその古細菌に感染するウイルスのインタラクション、特に、そのウイルスの感染機構を調べています。古細菌に感染するウイルスの感染機構は、まだまだわからないことも多く、非常に興味深い分野です。
これから、残りの半年間のインターンシップ (Stage) が始まるわけですが、このような場で学ぶ機会を与えていただいたことに感謝し、今後も精進したいと思います。
最後になりましたが、パスツール研究所での研究を支えて下さっているフランス政府、並びに日本パスツール協会の皆様、この場をお借りして、心より感謝申し上げます。